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ニンギョ姫の話




魔法の力に誘われて赤頭巾達が向かったのは広く、鬱蒼とした不思議な森でした。
何が不思議なのかって? 鹿もリスも小鳥も妖精も、虫一匹すらどこにもいないのです。
草と岩と、太くたくましく育った木々とツタに覆われた、とても静かな森だったのです。

彼女達が森の奥へ進むと、森を守る妖精レーシィと出会いました。
レーシィは実行的に森を支配し開拓しようとしている人間達に悩まされ、人間を忌み嫌っていました。
彼は今すぐ立ち去るように赤頭巾達に警告します。

「この先の湖には女神がいるのだ。彼女に殺されたくなければ今すぐこの森から出ていくことだ。」

しかし、赤頭巾はその湖の女神が目的なのでした。
彼女の力づくの脅しにレーシィは根負けし、彼女を森の奥へと通します。
奇妙な木に覆われた湖に到着すると、現れたのは凶暴な水の精ヴォジャノーイと、湖の女神でした。
しかし、彼女は「女神」という言葉とはひどくかけ離れた容姿をしていました。
石のようなゴツゴツとした鱗 不自然に伸びた手とヒレ アバラはエラとなって切り開かれ 怒りと苦悶の表情が鋼鉄越しに浮かび上がる大きく裂けた口に不揃いな歯…
事前に聞いていた木こりの噂とは程遠い、ひどく醜い容姿です。 例えるならば、悪趣味な呪いにかけられたケルピーのよう。

赤頭巾は湖の女神を挑発し、右腕とヒレを切り落とすことに成功しますが ふとした拍子に湖の底へ叩きつけられてしまいます。
何を隠そう、赤頭巾は泳ぐのが苦手なのでした。
ワーウルフの助けにより、なんとか溺れ死ぬ事は回避できましたが、大きく体力を消耗してしまいます。

絶体絶命の時 ワーウルフは湖の女神に感じた妙な「違和感」に気づきます。

彼は赤頭巾に提案しました。
「ワタシに考えがあります。」
水を苦手とする二人 この不利な地形と状況の中、どうにか決着をつけなければいけません。

そうしなければ、二人とも湖の奥底へ沈んでしまうのです。


…そんな中、森の中をさまようレーシィは赤頭巾達とまた違う、人間の声を耳にするのでした。


sage

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